牧師 高橋勝義![]() |
王子として育てられたモーセでしたが、苦役に苦しむ同胞への正義感から怒りにまかせて、エジプト人を殺してしまいます。しかしファラオに知られ、遠くミディアンの地に逃れます。そしてミディアンの井戸の傍らに座るモーセの前で、祭司の娘たちが羊の群れに水を飲ませようとしていると、やってきた羊飼いたちが彼女たちを追い払ったのです。それを見たモーセは、娘たちを助け、羊の群れにも水を飲ませます。娘たちの父である祭司レウエルは、いつもより早く帰宅した娘たちから事の次第を聞き、彼を食事に招きます。そしてモーセはこの祭司レウエルの所に住むと心を決め、レウエルも娘ツィポラを妻として与えました。
それから何年もたち、エジプトの王は死にました。しかしイスラエル人の生活は変わらず、民はその重い労働にうめき、ついに神に泣き叫びます。重い労働による彼らの叫びは神に届き、神はアブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされたのです。そのアブラハムに語られた約束とは「あなたの子孫は、自分たちのものでない地で寄留者となり、四百年の間、奴隷となって苦しめられる。しかし、彼らが奴隷として仕えるその国を、わたしはさばく。その後、彼らは多くの財産とともに、そこから出て来る。(創世記15:13~14)」でした。
神はイスラエルの長い苦しみを知らなかったわけではありません。しかし民がご自分に叫び訴えるこの時を待っておられたのです。神の語られた約束とみことばは永遠に変わることがありません。あなたの心に、解決し難い苦しみが沈んではいないでしょうか…。
私たちも主に叫び訴えましょう。「私は山に向かって目を上げる。私の助けはどこから来るのか。私の助けは主から来る。天地を造られたお方から。(詩篇121:1,2)」