牧師 高橋勝義![]() |
父ヤコブが全能の神にすべてを託したことで、兄弟たちはベニヤミンを伴って再びエジプトに行き、ヨセフの前に立ちました。ヨセフは、弟ベニヤミンの姿を見るなり、家の管理者に一行を自宅に連れて行き、昼食の支度をするように命じます。しかし自宅に案内された兄弟たちは、不安を覚えうろたえますが、家の管理者から「安心しなさい。恐れることはありません。あなたがたの神、あなたがたの父の神が…」と聞かされます。さらにシメオンも戻されました。ヨセフが家に帰って来ると、彼らは贈り物を彼に差し出し、地に伏して拝しました。ヨセフは年老いた父親の安否を尋ね、なつかしい弟ベニヤミンを祝福しますが、胸が熱くなり奥の部屋に行き泣きました。顔を洗って出て来たヨセフは、自分を制しエジプトの高官として振る舞いますが、兄弟たちの席順は年長から年下の者となっており、またヨセフの食卓から給仕される食事も、ベニヤミンの分は、ほかより五倍も多く、驚きの連続でした。ヨセフは彼らとともに酒を酌み交わし、楽しいひと時を過ごしました。(創世記43:16~34)
兄弟が数十年ぶりにともに食事をする、という長く失われていた「ぬくもり」を、この日味わったヨセフは、神の愛と恵み、そしてあわれみの深さを実感したことでしょう。
同様に、私たちも神とともに歩むとき“神のぬくもり”を味わいながら日々歩むことができるのです。まことの神から離れてしまった私たちのために、キリストは罪からの救い主として来て下さいました。このお方を信じる時、再び私たちには神との親しい交わりが回復するのです。
「主は羊飼いのように、その群れを飼い、御腕に子羊を引き寄せ、懐に抱き、乳を飲ませる羊を優しく導く。(イザヤ40:11)」