牧師 高橋勝義![]() |
弟ヨセフを売ることを先導したユダでしたが、ヨセフを失い嘆き悲しみ続ける父の姿に耐えられず、彼は父や兄弟たちの元から離れて暮らし始めたのです。そしてカナン人の娘を見そめて結婚し、エル、オナン、シェラの三人の男子が生まれます。ユダは長子エルにタマルという妻を迎えます。しかしエルは主の目に悪しき者であったので、主は彼を殺されました。
ユダは次男オナンに「兄嫁のところに入り、兄のために子孫を残すようにしなさい」と語ります。しかしオナンは生まれる子が自分の子ではなく、兄の子孫となるため、弟の義務を果たしませんでした。このことは主の目に悪しきことであり、主はオナンも殺されたのです。ユダは唯一残されたシェラも兄たちのように死ぬといけないと思い、嫁のタマルにシェラが成人するまで自分の父の家で待つように言いました。(創世記38:1~11)
ユダの息子エルとオナンは真の神を畏れず自由奔放に生きていました。「まことに正しい者の道は主が知っておられ悪しき者の道は滅び去る(詩篇1:6)」と聖書が語る通り、神は悪しき行いの二人を取り去られたのです。
本来、私たちも創造主なる神に背を向け、神の教えに聞き従わずに歩む者で、エルとオナンと同様に生まれながら神の御怒りを受けるべき者でした。しかし、神は私たちのすべての背きの罪をイエス・キリストに負わせ、十字架の上でその罪を処罰されました。神はこの事実を自分の事として、私たちが受け取ることを望んでおられます。「だれも滅びることがなく、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられる(Ⅱペテロ3:9)」とあるように、神は忍耐し、待っていてくださるのです。
それゆえ、「今は恵みの時、今は救いの日」(Ⅱコリント6:2) なのです。