牧師コラム 『モーセ物語~その3』 2019年12月29日

牧師 栗原延元

前回(9/29)は、モーセに引き連れられて、エジプトを脱出した故事について学びました。その故事が「過越の祭り」です。その祭りが、「聖餐式」として現代のキリスト教会に引き継がれています。

イスラエルの民は、エジプトを出てから、約束の地に入るまで四十年間、シナイの荒野を旅します。その間の出来事をまとめたものが旧約聖書「民数記」です。
今日は民数記21章4~9節を学びます。それは主イエス様が〈モーセが荒野で蛇を上げたように、人の子もまた上げられなければなりません〉(ヨハネ伝3:14)と民数記のこの箇所をとりあげているからです。
人の子が上げられる、とは十字架に磔(はりつけ)られる事です。これを聞いた、ニコデモ(ユダヤ人の指導者)、ペテロやヨハネの弟子たちは、驚いたようです。なぜ、そのようなことが是とされるのか…。そのような弟子たちのひとり、ヨハネの心に染み入るように〈それは、信じる者がみな、人の子にあって永遠のいのちを持つためです。〉と主イエスは語られたのでしょう。
ペテロは、このときの主イエスを思い出しながら、〈そして自分から十字架の上で、私たちの罪をその身に負われました。それは私たちが罪を離れ、義のために生きるためです〉(Ⅰペテロ2:24)と証しするのです。