牧師コラム 『ヤコブの旅立ち』 2021年1月3日

牧師 高橋勝義

兄エサウが弟ヤコブを恨み、殺意を抱いていると、母リベカに伝えられると、母はヤコブを呼び寄せ、「すぐに立って、ハランへ、私の兄ラバンのところへ逃げなさい」(創世記27:43)と命じます。父イサクもヤコブを祝福し、パダン・アラムから妻を迎えること、またカナンの娘たちから妻を迎えてはならないことを命じて彼を送り出しました。(創世記28:6)

ヤコブはベエル・シェバの両親の元を出て、ハランへと旅立ち、ある場所で一夜を明かし、そこで彼は夢を見たのです。それは、地に立てられているはしごの端が天に届き、神の使いたちが、そこを上り下りしている夢でした。さらに主ご自身が「わたしは、あなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。わたしは、あなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫に与える。~見よ。わたしはあなたとともにいて、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。(創世記28:13~15)」と、力強く語られ、約束してくださったのです。眠りから覚めたヤコブは「まことに主はこの場所におられる。それなのに、私はそれを知らなかった。(創世記28:16)」と告白します。

私たちの人生は山あり谷あり、さらに近頃は、想定外の出来事が頻繁に起こり、恐れや不安を抱くことばかりです。何を頼りにして歩めばよいのか、まったく見当がつきません。

しかし私たちを造られた神は「あなたがたが年をとっても、わたしは同じようにする。あなたがたが白髪になっても、わたしは背負う。わたしはそうしてきたのだ。わたしは運ぶ。背負って救い出す。(イザヤ46:4)」と約束してくださっているのです。