今日は、物資配布チームと清掃チームが合同で石巻に向かいました。ワゴン車三台+普通車二台で車列を組みました。目指したのは石巻市東部の渡波(わたのは)地区。ここは万石浦(まんごくうら)という湾にほど近く、海岸から数百メートル足らずの距離でした。最初はもっと沿岸寄りを目指したのですが、津波で堤防が崩れたことと、地震で地盤が1.2メートルも沈下したこと、そして大潮で潮位が上がったことから、数十メートル内陸側まで水に浸かってしまい、車での進入が困難になっていました。暴風雨の際には、床上まで水に浸かる可能性が容易に考えられます。たとえ津波を乗り越えても、今後継続的に住むことは非常に難しい。そういう悲惨な地域でした。その一角の、閉まっていた商店の駐車場をお借りして、物資を並べました。並べ始めた途端、近くの家々から待ちきれない被災者の方々が続々と出てこられ、「まだですか」と言われます。
教会の婦人達にその場は任せ、男性陣は昨日出向いた割烹料理店の清掃に向かいました。到着すると、今日共同作業する予定であった、JECA西日本地区とJIFHの合同ボランティアチームの方7人が、すでに作業を始めておられました。この料理店は1階が厨房、2階が宴会スペースとなっており、400平方メートルはあろうかという大きな建物です。早速私たちもガレキ撤去作業に取りかかりました。思い出の家財も一緒になっているため、注意しながらでした。一同何かに憑かれたかのように一心不乱に作業に明け暮れ、休憩時間も忘れるほどでした。懸念されていた大型冷蔵庫も男性5~6人で撤去でき、女性陣は散乱していたお皿を綺麗にし、5時を回る頃には、1階はほとんど片付いてしまいました。皆、深い充実感に包まれました。K先生が言われました。「今日は、本当にいいミッションだったと思います。大きな仕事ができて良かった!」と。まさしくその通りだったと思います。料理店のご主人のSさんも、昨日の表情とは打って変わり「本当にありがとうございました!昨日まではどうなることかと思っていましたが、皆さんにこんなにやって頂いて・・」と晴れ晴れとした顔でした。聞けば、この料理屋は100年続いている、地元では知られたお店だということでした。もちろんご主人と奥様、そして弟さんはノンクリスチャンの方ですが、「お祈りさせて下さい」とお願いし、その場所で主のあわれみと回復を、丸くなってお祈りしました。ボランティアチームの皆さんは、何も指示が無くとも一人一人、喜んで、自ら進んで献身的に仕えて下さいました。JECAのチームには、今日初めて会った人もいます。にもかかわらず、これだけ一致して働ける。キリストにある交わりの素晴らしさを実感し、震えるような思いでした。
仕事を終えて道具を掃除していた時、向かいのTさん宅のご長男が近づいてこられ、頭を下げて感謝してこう言われました。「物資を持ってきてくれたり、声をかけてくれたりする方は結構いるんです。でも、このように何のつながりも無かった所に来てくれて、実際に身体を動かして助けてくれる人は、なかなかいないんです。この地域のことを思って下さって、本当に有り難いです!」と。そう言う顔も、とてもすがすがしく私の目には映りました。第四次ボランティアチームの最後の活動日に、本当に良い仕事ができ、感謝でした。(後日談:この日から10日余り経った日、一通の葉書が届きました。渡波で支援物資を受け取った被災者の方が、がれきの下から探し出したハガキに感謝を綴って下さったものでした。教会員一同、感動したことは言うまでもありません)。