今日のメッセージ 『心の内を見られる神』 2023年11月5日

 牧師 高橋勝義

〔出エジプト38章1~31節〕

 幕屋建設は祭壇、洗盤、幕屋の庭と続いていきます。祭壇はイスラエルの民の罪を贖うためのいけにえを焼いて煙にし、神との和解を執り行うところです。それはアカシア材で作られ、四隅に角が作られ、青銅がかぶせられました。また、洗いのための洗盤は、アロンとその子たち祭司が、手と足を洗い清める場所であり、その材料も青銅です。当時の女性にとって、磨いた青銅は鏡として用いる貴重なものでした。聖書がわざわざ「会見の天幕の入り口で務めをした女たちの鏡で洗盤を作った」と記しているということは、その女性たちが、大切な鏡を喜んで心から神の幕屋建設のために献げたことが分かります。

 この箇所を読みながら、私は、「使徒の働き5:1~11」に記されているアナニアとサッピラ夫婦を思い出しました。使徒たちが復活された主イエス・キリストを証しする中で、大勢の人々が喜んで持てる物を献げていました。そのひとりバルナバは、所有していた畑を売り、その代金を使徒たちの足もとに置きます。それを見ていたアナニアとサッピラ夫婦も、同じことをするのですが、二人は代金の一部を自分たちのために取り置きながら、すべてを献げたように装ったのです。その彼らにペテロは「あなたは人を欺いたのではなく、神を欺いたのだ」と告げます。私たちの行動や言動には、少なからず、人の評価を得たいという思いが潜んでいます。それゆえ、私たちは常に、神に喜ばれない思いが潜んでいないか、主に教えていただく必要があるのです。なぜなら、「主は、闇に隠れたことも明るみに出し、心の中のはかりごとも明らかにされる(Ⅰコリント4:5)」お方だからです。

 「見よ。主を恐れること、これが知恵であり、悪から遠ざかること、これが悟りである(ヨブ28:28)」