牧師 高橋勝義 |
〔出エジプト23章1~9節〕
ここでは、神がイスラエルの民に与えた十戒の第九番目、「あなたの隣人について、偽りの証言をしてはならない」についての具体的な説明と神の思いが語られています。
偽りやうわさ話、悪意の証言を禁じ、多数になびいて悪の側に立つことはもちろんのこと、反対に同情心から弱い者をことさら重んじることもしてはならないと言われます。
神は、あくまでも事実だけを語り、証言することを求めておられるのです。
また、あなたの敵の牛やロバが迷っているなら、必ず飼い主の元に連れ戻す。さらに、あなたを憎んでいる者のロバが重い荷の下敷きになっているなら、必ず彼と一緒に助け起こしてやるようにと言われます。それは同じ神の民、同胞に対してすべきことだからです。訴訟においても、貧しい者たちへのさばきを曲げないこと、賄賂を受け取らないことを定められました。賄賂は、聡明な人さえも盲目にし、正しい人の言い分をゆがめるからです。
神は、私たちの心の中のはかりごとさえも、すべてご存じです(Ⅰコリント4:5)。それゆえ、神の目にはすべてが裸であり、さらけ出されていて、この神に対して私たちは申し開きをしなければなりません(へブル4:13)。このお方を恐れて生きることが正義と公平さを保つ鍵なのです。私たちはこの神の前に日々歩んでいるのですが、神に喜ばれる歩みからかけ離れた者であることも事実です。神に喜ばれる歩みは、自分の力では到底できません。それをご存じの神は、聖霊をこの世に送られ、このお方によって、キリストの死が私たちの罪のためであると私たちに悟らせ、神の愛を明らかにされたのです。
この神の愛に生かされ、聖霊に満たされて歩む時、真の力が与えられるのです。