牧師コラム 『あなたの隣人は誰か』 2023年2月19日

 牧師 高橋勝義

〔出エジプト22章21~31節〕
かつてイスラエルの民は、エジプトで奴隷の民となっていました。しかし神は、彼らの叫びを聞かれ、モーセをリーダーとして遣わし、エジプトから救い出されたのです。ですから神は、神の民イスラエル人に自分たちがエジプトで奴隷であった時のことを思い出し、寄留者、やもめ、みなしごたちを、苦しめてはならないと諭します。また金銭の貸し借りなどにおいても、同族からは利息を取ってはならないとされたのです。

 さらに神は、「あなたがたは、わたしにとって聖なる者でなければならない」と命じられました。それは神ご自身が「聖」だからです。同時に、神は愛のお方ですから「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。わたしは主である。(レビ19:18)」と命じました。ですから、「聖なる者」とは、自らの歩みの中に神の愛を実践する者のことです。

 イエス様はこのことについて、たとえ話し(ルカ10:25~37)を用いて語っておられます。そのたとえとは、強盗に襲われ、瀕死の重傷を負った人のそばを祭司、レビ人、サマリヤ人の三人が通りかかり、彼らが、どのように対応したのかを話され、「この三人の中でだれが、強盗に襲われた人の隣人になったと思いますか」と問いかけました。「その人にあわれみ深い行いをした人です」との答えに、イエス様は「あなたも行って、同じようにしなさい」と言われたのです。これは自分は正しいと自負する律法の専門家たちに語られたのですが、同時に、その場にいた人々にも語られているのです。

 ところで、私たちは、自分によくしてくれる人には親切にしますが、その逆もあるのではないでしょうか。

 あなたの内に住んでおられる聖霊の力により、神の愛を実践できるように祈りましょう。