牧師コラム 『あなたの心の主人は誰ですか』 2023年2月5日

 牧師 高橋勝義

〔出エジプト22章1~9節〕
神の民イスラエルに神が与えられた十戒の「盗んではならない。(出エ20:15)」について、神は他人の所有物について、盗むという行為だけではなく、放たれた家畜が他人の畑を食い荒らしたり、出火して穀物や収穫前の畑を焼き尽くした場合にも、必ずその責任の償いをしなければならない、と定められました。また、金銭や物品を隣人に預けて、それがその家から盗まれた場合も、その盗人が二倍にして償わなければならないのはもちろんですが、盗人が見つからない場合には、預かった家の主人は神の前に出て、隣人の所有物に決して手を触れなかったと誓わなければならないと定めました。

 つまり、神は、「所有をめぐるすべての違反行為に関しては、それが、牛、ろば、羊、上着、またいかなる紛失物についてであれ、一方が『これは自分のものだ』と言うなら、 その双方の言い分を神の前に持ち出さなければならない。そして、神が有罪と宣告した者は、それを二倍にして相手に償わなければならない。(出22:9)」と定められたのです。

 神は私たちの心に潜む貪欲が、あらゆるトラブルに発展することをご存知なので、このように細かく定められたのです。パウロは、「地にあるからだの部分、すなわち、淫らな行い、汚れ、情欲、悪い欲、そして貪欲を殺してしまいなさい。貪欲は偶像礼拝です。(コロサイ3:5)」と語りました。欲しがる心、貪欲は人の心を支配していくからです。

 「だれも二人の主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛することになるか、一方を重んじて他方を軽んじることになります。あなたがたは神と富とに仕えることはできません。(マタイ6:24)」

 あなたの心の主人は、富ですか、それとも、イエス様でしょうか。