牧師 高橋勝義 |
〔出エジプト21:01~11〕
神がイスラエルの民に十戒を与えられたのは、神の民としての歩みに導くためでした。さらに神は、奴隷制度のあった時代の中で、様々な理由で奴隷になった弱い人々の尊厳にも心を向けられました。売買され、人として扱われない中で、守るべき定めを与えたのです。それは、ヘブル人男奴隷は六年間仕えた後七年目には解放される、という規定でした。またその男奴隷が、なおも主人の家で仕えたいなら、神に誓い、耳をきりで刺し通されたうえで、いつまでも主人に仕えることが許可されました。そして、女奴隷についても、人として扱われるように、さまざまな規定を定められました。
神は「さあ、人をわれわれのかたちとして、われわれの似姿に造ろう」と仰せられ、神のかたちとして私たち人間を創造されました。(創世記1:26,27)
ここに人間の尊厳、私たちを愛する者として造られた神の思いを知ることができます。それゆえ、人間は、動物のように売り買いされる「もの」ではないのです。これらの規定は、「神のかたち」としての人間の尊厳が軽んじられないために、人間を「もの」扱いすることのないように、と神がご配慮された愛の定めなのです。さらに私たちは、イエス・キリストが十字架で刺し通され、そのいのちによる贖いによって、罪赦され、神のこどもとされました。 そして、地上にあっても、天においても、永遠に神に仕える喜びが許可されたのです。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。(イザヤ43:4)」
神の私たちに対する思いは、初めから変わらず、これからも変わることはありません。