牧師 高橋勝義 |
〔出エジプト6章14~27節〕
素性のわからない者に対して「どこの馬の骨かわからない」などと言うのは、血筋を重んじるからです。そして、その血筋を明らかにするのが系図です。
神はモーセに「今、行け。わたしは、あなたをファラオのもとに遣わす。わたしの民、イスラエルの子らをエジプトから導き出せ。(出3:10)」と命じ、さらに彼の弱さを補うために、兄アロンを代弁者とされました。そして二人はエジプト王ファラオの前に出て行ったのです。
モーセがエジプトの地を離れてから40年の歳月が流れ、彼のいのちを狙っていた王は死に、またモーセを知る人々もいなくなっていました。神はモーセが真のイスラエル人であり、レビ族の出であることを、系図によって明らかにし、彼がこれからイスラエルを導いていく指導者として相応しい者であることを、イスラエルの民にはっきりと示したのです。
ところで、イスラエル人ではない私たちが、アブラハムの霊的子孫と言われる根拠はどこにあるのでしょうか。それは聖書ガラテヤ人への手紙3章6,7節に「『アブラハムは神を信じた。それで、それが彼の義と認められた』とあるとおりです。ですから、信仰によって生きる人々こそアブラハムの子である、と知りなさい。」と記されているように、私たちがキリストを罪からの救い主と信じる信仰にあるのです。つまり「この方(イエス・キリスト)を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとなる特権をお与えになった(ヨハネ1:12)」とあるとおり、私たちは神の子どもとされているのです。
この素晴らしい救いの恵みは、私たちの行いによるのではなく、神からのプレゼント(賜物)であり、今、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神は、あなたの神、主なのです。