牧師コラム 『万軍の主の熱心』 2021年12月12日

牧師 高橋勝義

今から約2700年前、北イスラエル王国はアッシリア帝国に滅ぼされ、民は捕囚となり連れ去られ、ガリラヤの地には異国の民が移り住んでいました。このような状況の中、残された人々や南ユダ王国の民は希望の見えない暗黒の日々を送っていました。

しかし、このような暗い状況の中で、神は預言者イザヤを通して「ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。ひとりの男の子が私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は『不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君』と呼ばれる。その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に就いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これを支える。今よりとこしえまで。万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。(イザヤ9:6,7)」と、希望を与える約束を語られました。神は希望を失っている人々、弱さに喘ぐ人々に目を留められるお方です。
イザヤを通して「万軍の主の熱心がこれを成し遂げる」と語られた約束は、それから約700年後に神のひとり子イエス・キリストがこの世に生まれたことで実現しました。

キリストが来られたのは、私たちを罪の支配から解放し、永遠のいのちを与え、新しいいのちに生かすためであり、十字架の上で死なれ、よみがえられたことにより成し遂げられたのです。神から離れ、背を向け、自己中心の歩みをしている自分を顧みる時、神がこれほどまでに熱心に私たちを覚え、価値がある、といってくださるその愛に驚くばかりです。

「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、宥めのささげ物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。(Ⅰヨハネ4:10)」