牧師コラム 『約束の地、御国へ』 2021年12月5日

牧師 高橋勝義

ヨセフは死を迎えた父ヤコブの顔の上に、泣き崩れ、別れの口づけをしました。それは、エジプトで十七年の時間をともに過ごした父への深い愛の現れでした。ヨセフは父をミイラにするように命じ、エジプトは彼のために七十日間、泣き悲しみました。喪が明けると、ヨセフは「もし私の願いを聞いてもらえるなら、どうかファラオにこう伝えてください。父は私に誓わせて、こう申しました。『私は間もなく死ぬ。私がカナンの地に掘った私の墓の中に、そこに、私を葬らなければならない。』どうか今、父を葬りに上って行かせてください。私はまた帰って参ります。」と願います。ファラオはヨセフの願いを聞き入れ、ヨセフは父を葬るために家族全員、兄弟たちとその一族、さらにエジプトの国のすべての長老たち、また戦車と騎兵も一緒に非常に大きな一団で上って行きました。ただし、彼らの子どもたちと羊と牛はゴシェンの地に残しました。ヨセフは父のため七日間、たいへん立派で荘厳な哀悼の葬儀を行った後、一緒に上って来たすべての者たちと共に、エジプトに戻りました。

神は十七年前、エジプトに向かうヤコブに「このわたしが、あなたとともにエジプトに下り、また、このわたしが必ずあなたを再び連れ上る(創世記46:4)」と語られた通り、埋葬という形で、約束の地にヤコブを連れ上りました。これは、神が彼の子孫を約束の地に必ず連れ上ることを指し示す“メッセージ”でした。同様にイエス・キリストを信じ、神のこどもにされた私たちも、神は約束の地、天の御国へ必ず連れ上ってくださるのです。

「私は勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。あとは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。(Ⅱテモ 4:7,8a)」