牧師コラム 『神への揺るぎない信仰』 2021年11月28日

牧師 高橋勝義

父ヤコブは神に導かれ、ルベン、シメオン、レビ、ユダ、ゼブルン、ダン、ガド、アシェル、ナフタリ、ヨセフ、ベニヤミンの順に祝福しました。そして彼は息子たちに、自分をエジプトの地ではなく、父祖アブラハムが私有の墓地として買い取った洞穴に葬るように命じます。そこはアブラハムと妻サラ、イサクと妻リベカが葬られ、彼も妻レアを葬った場所でした。ヤコブは命じ終えると、足を床の中に入れ、息絶えて、自分の民に加えられたのです(創世記49:29~33)。百四十七年の生涯でした。

ヤコブが息子たちを祝福し語った内容は、彼らには耳の痛い、厳しいものでした。しかし、それは子を思う父の愛ゆえであり、聖書は「それぞれにふさわしい祝福を与えた」と語ります(創世記49:28)。彼は自分のこれまでの歩みを振り返り、「今日のこの日まで、ずっと私の羊飼いであられた神」(創世記48:15)と告白しています。ヤコブは自分が神の愛と恵みにずっと支えられて来たことを思うと、何の迷いもなく、今まで自分を導いて来られた全能の神に息子たちと子孫を託したのです。

それは、その時々において自分を励まし導いてくださった神への感謝と同時に、息子たちがこのお方に信頼し、神を待ち望む信仰に堅く立つことを願ってのことでした。
神はアブラハムの信仰の子孫たちが自分の弱さや罪を認め、神とともに生きることを願っておられるのです。神は私たちにこのように約束しておられます。
「あなたの重荷を主にゆだねよ。主があなたを支えてくださる。主は決して正しい者が揺るがされるようにはなさらない。」(詩篇55:22)