牧師 高橋勝義 |
イスラエルはエジプトの国でゴシェンの地に所有地を得て、多くの子を生み、大いに数を増やしました。神が、ベエル・シェバで「エジプトに下ることを恐れるな。わたしはそこで、あなたを大いなる国民とする(創世記46:3)」とヤコブに約束された通りです。
さて、自分の死が近いことを感じたヤコブは、ヨセフを呼び寄せて「もしおまえの心にかなうなら、おまえの手を私のももの下に入れ、私に愛と真実を尽くしてくれ。私をエジプトの地には葬らないでほしい。私が先祖とともに眠りについたら、エジプトから運び出して、先祖の墓に葬ってくれ。」と願うのです。ヨセフは「必ずあなたの言われたとおりにいたします」と約束しますが、ヤコブは「私に誓ってくれ」と言い、ヨセフは彼に誓いました。 ヤコブはこのことばを聞き寝床の枕もとで、ひれ伏しました。(創世記47:27~31)
十七年前、ヤコブはエジプトに下る途中のベエル・シェバで「このわたしが必ずあなたを再び連れ上る(創世記46:4)」との約束を神から頂いていました。ですからヤコブのこの願いは、単に故郷の墓に葬られたい、との思いではなく、神が父祖アブラハムに「わたしは、あなたの子孫にこの地を与える(創世記12:7)」と約束されたことを、父イサクが信じたように、彼もそれを信じる信仰の表れであり、希望の約束なのです。
神はキリストを信じる者に「私たちの国籍は天にあります。(ピリピ3:20)」と語られます。私たちはこの希望の約束に堅く立ち「天にある御国(Ⅱテモテ4:18)」を目指して歩んでいるのです。「信仰は、望んでいることを保証し、目に見えないものを確信させるものです。昔の人たちは、この信仰によって称賛されました。(ヘブル11:1,2)」