牧師 高橋勝義 |
目の前のエジプト宰相が弟だと明かされ驚く兄弟たちに、ヨセフはさらに、自分をここに遣わしたのは“神”であると語ります。そして、厳しい飢饉はあと5年続くので、急ぎ父を自分のところに連れて来るように言います。ヨセフの兄弟たちが来たとの知らせにファラオは喜び、ヨセフに「エジプトの地から車を持って行き、あなたがたの父を乗せて来なさい。家財に未練を残してはならない。エジプト全土の最良の物は、あなたがたのものだから」と命じます。神が用意してくださった新しい地に出発する時に大切なことは、今も昔も『未練を残してはならない』です。キリストを信じて、新しい人生に踏み出した私たちも同様です。
ファラオの用意した車と共に父のもとに帰って来た兄弟たちは、父ヤコブに「ヨセフはまだ生きています。しかも、エジプト全土を支配しているのは彼です。」と告げるのですが、父は彼らのことばに茫然としていました。しかし、彼らの話を聞き、自分を乗せるために送られた車を見ると、元気づきました。
そしてイスラエル(ヤコブ)は「十分だ。息子のヨセフがまだ生きているとは。私は死ぬ前に彼に会いに行こう。」と立ち上がったのです。(創世記45:16~28)
ヨセフが生きていただけではなく、神の遠大な計画を知らされたイスラエル(ヤコブ)は、これまで自分と自分の家族を導き続けてくださった全能の神の愛と恵みを改めて深く感じたことでしょう。「神はあなたがたに、あらゆる恵みをあふれるばかりに与えることがおできになります。あなたがたが、いつもすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれるようになるためです。(Ⅱコリント9:8)」