牧師コラム 『神を恐れる忠実なしもべ』 2021年7月18日

牧師 高橋勝義

エジプト王ファラオの監督官に任命されたヨセフは、さっそく全土を巡りました。これから訪れる七年間の大豊作の間に、その後の飢饉に備え、町々に食糧を蓄えるためです。
ヨセフを通して語られた神の預言どおり、地は大豊作となり、ヨセフは穀物を全土で蓄えましたが、それは海の砂のように多く、量りきれず量るのをやめたほどでした。この間、彼にはマナセとエフライムの二人の男子が与えられ、彼は神の恵みに感謝しました。

その後、ついに七年間の飢饉が始まりましたが、食物が備蓄されているエジプトは何の心配もありませんでした。さらにエジプト全土に飢えは広がり、民がファラオに食物を求めて叫ぶと、ファラオは「ヨセフのもとに行き、ヨセフの言うとおりにせよ」と言います。
ヨセフはすべての穀物倉を開けて、エジプト人に売ります。この7年にも及ぶ飢饉はすべての国々を襲ったため、周辺諸国からも穀物を買うために人々がエジプトのヨセフのところにやって来ました。それほどに飢饉は全地で厳しかったのです。(創世記41:47~57)

そしてこの時、彼の心にはカナンの地にいる父ヤコブを案じる思いが湧いて来たはずです。父を助けたいという思いと同時に、神がなぜ自分をエジプトに送られたのか、今置かれている自らの立場、その目的と使命。神のみこころに改めて心を向け、今自分に求められていることは、神にすべてを委ね、神のみこころを忠実に行なうことであると悟ったのです。

「今、主への恐れがあなたがたにあるように。忠実に行いなさい。(Ⅱ歴代誌19:7)」

『よくやった。良い忠実なしもべだ。おまえはわずかな物に忠実だったから、多くの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。』(マタイ25:21,23)