牧師コラム 『あなたの父たちの国に帰りなさい』 2021年2月14日

牧師 高橋勝義

無一文で叔父ラバンの所に来たヤコブでしたが、今や神の恵みと守りにより、多くの財産と男女の奴隷を持つようになりました(創世記30:43)。しかし、ラバンとラバンの子どもたちは、ヤコブが自分たちのものを取って富を得たと思っていました。

かつて「あなたを守り、あなたをこの地に連れ帰る(創世記28:15)」と、ヤコブに約束された神は、「あなたが生まれた、あなたの父たちの国に帰りなさい。わたしは、あなたとともにいる。(創世記31:3)」とその時が来たことを彼に告げました。

ヤコブは、すぐラケルとレアを呼び寄せ、義父ラバンの態度が以前のようではなく、自分を欺き、報酬を何度も変えたが、神は自分に害を加えることを許さず(創世記31:7)、「ラバンがあなたにしてきたことはみな、わたしが見た(創世記31:12)」と言ってくださり、さらに、神の使いが「さあ立って、この土地を出て、あなたの生まれた国に帰りなさい(創世記31:13)」と語られたことを話しました。ラケルとレアも「さあ、神があなたにお告げになったことを、すべてなさってください(創世記31:16)」と答えます。

キリストを罪からの救い主と信じるすべての人は、神の民、アブラハムの子孫とされ、ヤコブへの約束はキリストを信じるすべての人に及ぶ約束です(ガラテヤ3:26~29)。さらにその歩みを神がすべて見ておられるというのですから、何も恐れることはないのです。

それゆえ、私たちは、この神に心からの感謝と喜びをもって従うことができます。   「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています(ローマ8:28)」