牧師コラム 『恐れてはならない』 2020年12月6日

 牧師  高橋勝義

飢饉を逃れてゲラルの地に移り住んだイサクは、人を恐れて妻リベカを「私の妹です」と偽ります。ところが、神はこのような過ちにもかかわらず、彼を守り、祝福してくださいました。しかし、豊かさと力を増していくイサクをゲラルの人々は妬み、ついには彼を追い出します。そればかりか井戸をめぐって次々と言いがかりをつけ、彼は争いに巻き込まれます。

イサクは争いを避け、場所を移して井戸を掘り続け、ようやく平和な場所にたどりつきました。そして「今や、主は私たちに広い所を与えて、この地で私たちが増えるようにしてくださった(創世26:22)」と神に感謝したのです。そこからベエル・シェバに上ったその夜、主はイサクに現れ「わたしは、あなたの父アブラハムの神である。恐れてはならない。わたしがあなたとともにいるからだ。わたしはあなたを祝福し、あなたの子孫を増し加える。わたしのしもべアブラハムのゆえに。」(創世記26:24)と語られました。

イサクの困難な状況を顧みられた神は、父アブラハムへの祝福の約束(契約)は確実にイサクに引き継がれている、と語ってくださったのです。想定外の自然災害や未知のウイルスなどが次々と押し寄せる不確実な今の時代の中で、私たちの心は揺れ動きます。災難や困難が続く時、人は不安や恐れに支配されて将来に期待や希望が持てなくなってしまうからです。

しかし「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。(イザヤ41:10) 」と約束してくださる神様が、そのひとり子であり、救い主であるイエス・キリストを私たちの所に送ってくださいました。

それがクリスマスなのです。