牧師 高橋勝義![]() |
アブラハムは、自分の全財産をイサクに与えました。そして側女たちの子には贈り物を与え、自分が生きている間に、彼らを東の方、東方の国に行かせて、自分の子イサクから遠ざけたのです。アブラハムは、幸せな晩年を過ごし、満ち足りた百七十五年の生涯を閉じ、自分の民に加えられました。その息子イサクとイシュマエルは、父アブラハムをイサクの母サラが葬られているマムレに面するマクペラの洞穴に葬りました。(創世記25:5~10)
イシュマエルはサラの女奴隷、エジプト人ハガルがアブラハムに産んだ子でしたが、神は「わたしはあの子を大いなる国民とする(創世記21:18)」と約束された通り、彼にも12人のこどもを与え、やがてそれぞれが氏族の族長となっていきます。
そのイシュマエルも百三十七年でその生涯を終え、自分の民に加えられました。
アブラハムの死後、神はその子イサクを祝福され、イサクはベエル・ラハイ・ロイの近くに住みます(創世記25:11)。
イサクにとって、父アブラハムと過ごした75年の中でも特に、モリヤの山での出来事は、決して忘れることのできない経験だったことでしょう。父アブラハムの神を畏れ、神に聞き従う純粋な信仰と、その父に対する神の真実、愛と恵みが、心に深く刻まれたからです。イサクにとって、神を畏れ、どんな時にもまず礼拝する父の姿は、これから自分が一族の長として歩む大切な指針であると再認識させられたのです。
「わたしは、高く聖なる所に住み、砕かれた人、へりくだった人とともに住む。へりくだった人たちの霊を生かし、砕かれた人たちの心を生かすためである。」(イザヤ57:15)