牧師 高橋勝義![]() |
アブラハムはイサクの乳離れの日に、盛大な宴会を催しますが、この時サラはエジプトの女奴隷ハガルの子イシュマエルが、イサクをからかっているのを見たのです。
サラは「この女奴隷とその子を追い出してください。この女奴隷の子は、私の子イサクとともに跡取りになるべきではないのですから。」(創世記21:9,10)とアブラハムに訴えます。 元をただせば、神の約束に固く立てなかったサラが女奴隷ハガルをアブラハムに与え、それを受け入れてしまったアブラハムにイシュマエルが生まれたのです(創世記16:1~3)。この時、アブラハムは八十六歳でした(創世記16:16) 。
イシュマエルもわが子であり、苦悩するアブラハムに、神は「サラがあなたに言うこ とはみな、言うとおりに聞き入れなさい。」さらに「あの女奴隷の子も、わたしは一つの国民とする。 彼も、あなたの子孫なのだから」と約束してくださいます(創世記21:13)。
その翌朝、パンと水の皮袋だけで二人は追い出され、ついに死を目前にした時、少年の声を神は聞かれました。そして、声をあげて泣いている母ハガルに神は直接語り掛け、彼女の目を開き、井戸へと導きます。そして、イシュマエルは荒野でたくましく成長していったのです。このように、たとえ、アブラハムとサラの不信仰が引き起こした問題であっても、神はアブラハムを深くあわれみ、御手を差し伸ばされたのです。
神は、どんな状況であれ、約束されたことを必ず守られる真実なお方です。
「主は情け深くあわれみ深く怒るのに遅く恵みに富んでおられます」(詩篇145:8)