牧師 高橋勝義 |
二人の御使いはアブラハムと別れた後、ソドムに向かって行きました。
ソドムに住むロトは、二人の御使いを見ると、自分の家に泊ってくださるようにとお願いし、迎え入れます。そして御使いたちは、「彼らの叫びが主の前に大きいので、主はこの町を滅ぼそうと、私たちを遣わされたのです」(創世記19:13)とロトに告げます。
その理由は、ソドムとゴモラが不道徳(性的堕落)に満ちた町だったからです。
事実、町の男たちは、二人の御使いに対してよこしまな思いで、ロトの家に押しかけたのです。いつのまにかソドムとゴモラの悪い影響を受けていたロトは、二人の娘を差し出そうとしてしまいますが、町の人々は、それでは納得しなかったのです。
夜が明けるころ、逃げるようにせき立てられてもためらうロトに、み使いたちは、彼と妻、二人の娘の手をつかみ町の外に連れ出します。そして「いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない。」(創世記19:17)と警告します。そして、主は硫黄と火をソドムとゴモラの上に降らせ、低地全体を滅ぼされたのです。(創世記19:24,25)
しかしロトの妻は、うしろを振り返り塩の柱になってしまったのです。(創世記19:26)
人間の繁栄は、創造主なる神の恵みによるものであることをすっかり忘れ、富こそがすべて、と神に背を向けて歩んでしまうなら、人は“聖さ”が分からなくなり、不道徳の歩みに走ってしまうのです。
それゆえ、ソドムとゴモラは私たちに対する警告です。
「あなたの宝のあるところ、そこにあなたの心もあるのです(マタイ6:21)」