牧師 高橋勝義 |
神はアブラムに「あなたの子孫は、星のようになる」と約束されました。もちろん彼は妻サライにも、この神の約束を伝えていたことでしょう。しかし、それから約十年が過ぎ、未だにアブラムの子を産んでいないサライは深い苦悩を抱えていました。
そこで、サライは自分の女奴隷ハガルを夫アブラムに与え、それによって子を得て、母親になろうとしたのです。アブラムはサライの申し出を聞き入れました(創16:2)。サライの考えた通りハガルは身ごもりましたが、このことの故にハガルは、自分の女主人を軽く見るようになったのです(創16:4)。
サライは、ハガルの態度に屈辱を覚え、夫を一方的に責め、ハガルを苦しめました。夫アブラムが責任を丸投げしたからです。
ハガルはいたたまれず、サライの所から逃げますが、神はハガルを見捨てることなく、み使いを送り「あなたの女主人のもとに帰りなさい。そして、彼女のもとで身を低くしなさい。(創16:9)」と諭すのです。
さらに、男の子を産むことやその子の行く末までも明かされたのです。
ハガルは自分に語りかけられた主の名を「あなたはエル・ロイ」すなわち「私を顧みてくださる神」と告白し、サライの所に帰っていきました。
事の発端は、アブラムとサライが神の約束に固く立てなかったことであり、サライの申し出にも二人で神の前に出て、正直に祈るべきだったのです。
神はこう言われます。『わたしを呼べ。そうすれば、わたしはあなたに答え、あなたが知らない理解を超えた大いなることを、あなたに告げよう。』(エレミヤ33:3)