牧師 高橋勝義 |
エジプトで手痛い失敗をしたアブラムでしたが、神はアブラムの家族も甥のロトの家族も祝福してくださり、多くの財産を所有するようになりました。しかし、それぞれの家畜が多くなり、牧者たちの間で水や牧草をめぐって争いがおこったのです。
そこでアブハムは、「全地はあなたの前にあるではないか。私から別れて行ってくれないか。あなたが左なら、私は右に行こう。あなたが右なら、私は左に行こう。(創13:9)」と平和的解決策をロトに提案し、ロトにその優先権を与えたのです。
ロトの目には、目前に広がるヨルダンの低地全体が、主の園のように、またエジプトの地のように、どこもよく潤っているように見え、彼はこの低地を選び住むことにしました。しかし、そこには道徳的に腐敗したソドムとゴモラの町があったのです。
一方、カナンの地に残ったアブラムに神は「さあ、目を上げて、あなたがいるその場所から北、南、東、西を見渡しなさい。わたしは、あなたが見渡しているこの地をすべて、あなたに、そしてあなたの子孫に永久に与えるからだ。(創13:14,15)」と、再び祝福の約束を語られました。そして、彼は祭壇を築き、神に感謝の祈りをささげたのです。
アブラムが甥のロトに選択権を譲ることができたのは、神を信頼していたからです。
聖書は、人の見る目ではなく、神を信じ、信頼する者に対して「心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りに頼るな。あなたの行く道すべてにおいて、主を知れ。主があなたの進む道をまっすぐにされる。(箴言3:5,6)」と約束しています。