牧師 高橋勝義 |
神の約束の地カナンに着いたアブラムたちですが、飢餓が激しくなり、食料を求めて隣国エジプトへ行くことにしました。
ただ、彼はこのことを神に祈らず、自分の考えで行動してしまったのです。
さらに、アブラムは妻サライに「私には、あなたが見目麗しい女だということがよく分かっているので、『私の妹』だと言ってくれれば、私たちは生き生き延びられるだろう(創世記12:11~13)」と頼むのです。
神の導きを求めなかった彼の心には恐れと不安が広がっていたからでした。予想どおりファラオ(エジプト王)は美しいサライを宮廷に召し入れ、それによって、彼には多くのものが与えられました。
アブラムの策は、見事に成功したかに見えましたが、神はそれを良しとなさいませんでした。神はサライのことで、ファラオとその宮廷を大きなわざわいで打ち、すべてがバレてしまったのです。
神はアブラムが大きな罪を犯す寸前で止められ、さらにはファラオの心を寛大にして、一歩間違えれば殺されてもしかたのないアブラムを救ってくださったのです。
神は彼の行動を叱責するのではなく、助けてくださいました。
それは、アブラムが神の語りかけに応答し、カランの地を出て、信仰の歩みを始めた故でした。神は彼にご自身の深い愛を示されたのです。
この経験から、アブラムは、神である主を知ることが出来たのです。
「あなたの道を【主】にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。(詩篇37:5)」