牧師 高橋勝義 |
アブラムの父テラは息子アブラムとカナンの地を目指して故郷を旅立ちましたが、途中のカランに住み着きました。父テラはこの地で二百五年の生涯を終えます。
このハランで、主はアブラムに現れ「あなたは、あなたの土地、あなたの親族、あなたの父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい(創世記12:1)」と告げたのです。
アブラムは、甥のロトを伴い、【主】が告げられたとおりに父の家を出て行きました。この時、彼は七十五歳です。
聖書は、彼のこの行動を「信仰によって、アブラハムは相続財産として受け取るべき地に出て行くようにと召しを受けたときに、それに従い、どこに行くのかを知らずに出て行きました(ヘブル11:8)」と証言しています。その時、神は「わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し~(創世記12:2)」との約束も彼にお与えになりました。
このアブラムの旅は神を信じる人の人生そのものです。
まだ見ぬ将来や不安な中にあっても、「あなたを祝福しよう」と語られる神の約束を信じて生きる人生です。アブラムは、自分に現れてくださった主のために、祭壇を築き、神を礼拝し、自分が生きている間には、実現しないことを承知の上で「あなたの子孫にこの地を与える」との約束を信仰をもって受け取ったのです。
私たちも、目には見えなくても確かにおられる神を信じ、励ましと希望をいただきながら人生を歩むのです。
「この方に信頼する者は、だれも失望させられることがない(ローマ10:11)」