牧師コラム 『アブラハムの父テラ、故郷を出る』 2020年5月10日

牧師 高橋勝義

ノアの息子セムの歴史は、メシア(イエス・キリスト)につながる一族の歴史です。

セムから数えて8代目となるテラは、『信仰の父』とも言われるアブラム(アブラハム)の父親です。聖書に『あなたがたの父祖たち、アブラハムの父でありナホルの父であるテラは昔、ユーフラテス川の向こうに住み、ほかの神々に仕えていた』(ヨシュア記24:2)と記されているように、彼らの居住地ウルは、異教の神々への信仰が盛んな地であり、彼もその影響を強く受けていました。
このような状況の中で、神である主はテラにふれられ、彼は息子アブラムとその妻サライ、孫のロトを伴い、カナンの地をめざし、生まれ故郷ウルを出たのです。
しかし旅の途中のハランで、彼は二百五年の生涯を終えます(創世記11:32)。

目的地カナンにはたどり着くことが出来なかったテラですが、異教の神々に長く仕えてきた高齢の彼がすべてを捨てて故郷ウルを出た背景には、「セムの神、主」(創世記9:26)とノアが語ったことを神が覚えておられたからです。
これは、神の一方的なあわれみと恵みによるものです。同様に、神に背を向けて歩んでいる私たちが、神の赦しと愛の中に生きる者とされるのは、キリストが私たちのすべての罪を代りに負って十字架の上で死んでくだったからです。

「あなたがたが救われたのは恵みによるのです」(エペソ2:5)