牧師 高橋勝義 |
ヨハネは、「私たちは、自分が死からいのちに移ったことを知っています(Ⅰヨハネ3:14)」と語っています。では、死からいのちに移ったとは、どのような意味なのでしょうか。
天地万物を創造されたまことの神は、ご自身と親しい交わりを持つ存在として、人間を造られました。そして、神は人に一つの命令を与えます。その命令とは「あなたは園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし善悪の知識の木からは、食べてはならない。その木から食べるとき、あなたは必ず死ぬ。(創世記2:16,2:17)」でした。
ところが人はこの命令を破ってしまったために、二つの死が入り込んできたのです。一つは肉体の死です。もう一つは神のとの交わりが絶たれた霊的な死です。
けれども、神は私たちを愛する故に、神の一人子イエス・キリストをこの世に遣わし、私たちのすべての罪をその身に負わせ、十字架の上で罪の刑罰を行ったのです。
この神の愛を受け取り、キリストを信じる者には、復活したキリストから新しいいのちが与えられ、神との交わりが回復し、肉体の死と霊的な死から解放されるのです。これが、「死からいのちに移された」の意味するところです。
キリストを信じる者はその愛の中に生きる者に変えられ、更には「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい(ヨハネ15:12)」と命じられるのです。
そこで、ヨハネは「子どもたち。私たちは、ことばや口先だけではなく、行いと真実をもって愛しましょう。(Ⅰヨハネ3:18)」と愛の実践を行うよう勧めるのです。
憎しみから愛する者に変わることを可能にするのは、御子イエス・キリストの名を信じる信仰によって、死からいのちへ移されること以外にはないのです。