牧師コラム 『ヨセフ物語(後半)』 2019年3月24日

牧師 栗原延元

波瀾万丈のヨセフの生涯のクライマックスは、ヨセフと兄たちの再会の場面です。〈ヨセフは兄弟たちに言った。「どうか私に近寄ってください。」彼らが近寄ると、ヨセフは言った。「私はあなたがたがエジプトに売った弟ヨセフです。今、私をここに売ったことで心を痛めたり、怒ったりしてはなりません。神はいのちを救うために、あなたがたより先に、私を遣わしてくださったのです。」〉(創世記45章4~5節)
聖書の巻頭の書である創世記の最終章50章には、〈ヨセフは彼らに言った。「恐がることはありません。どうして、私が神の代わりでしょうか。あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。〉(創世記50章19~20節)
このヨセフ物語は、新約聖書のイエス・キリストの福音に通じています。ヨセフは、自分に悪をたくらんだ兄たちを赦しましたが、父なる神は、イエス・キリストを十字架につけて殺した人類の罪を完全に赦しておられるのです。それはイエス・キリストの復活の事実が語っている福音なのです。

アーメン