牧師 栗原延元 |
ヨナ書2章は、預言者ヨナの祈りが詳しく書きしるされています。まずヨナはどこで祈ったかと言いますと、神殿でも、街角でも、自分の家の中でもなく、魚の腹の中からでした。大嵐の中、ヨナは海に投げこまれました。このとき〈主は大きな魚を備えて、ヨナをのみこませまた。ヨナは三日三晩、魚の腹の中にいた〉(ヨナ書1章17節)とありますから、この魚の腹の中から祈ったのです。この魚はクジラのようです。クジラには胃袋がありませんから、胃液で溶かされなかったのでしょう。
〈私が苦しみの中から主にお願いすると、主は答えてくださいました。私がよみの腹の中から叫ぶとあなたは私の声を聞いてくださいました。〉(ヨナ書2章2節)。ヨナは絶体絶命の中で主に祈るのです。ヨナの乗船した船が大嵐に遭遇し、水夫たちがそれぞれの神に祈っていたときには、ヨナは祈りませんでした。水がのどを締めつけ海草がヨナの頭にからみつき、いのち尽き果てるときになって、ヨナは祈るのです。それは、ヨナが主を思い出したからなのです。
毎日の忙しさの中で人は、神を忘れがちになります。日々、神に祈ることの大切さをヨナから学びたいものです。