牧師コラム 『主の御顔を避けて』 2017年9月3日

 牧師 栗原延元

 預言者ヨナは、主なる神から使命(ミッション)を与えられます。その使命はヨナにとって好ましいものではありません。なぜならそれは隣国の大きな町ニネベを救うことになるからでした。
ニネベの町に行け!との使命を受けたとき〈ヨナは、主の御顔を避けて〉ニネベの町とは反対の方角に向かって行きます。ヨナ書1章には、「主の御顔を避けて」の文句が3度も繰り返されています。
 聖書を読んでいて興味深いのは、ヨナに限らず登場人物が主の御顔を避けようと悪戦苦闘している箇所に出会うことです。その内的苦悩を詩に結晶したのがダビデの賛歌、詩篇139です。今日の礼拝の中でこの箇所をヨナ書とともに学びます。
 ヨナは遠い昔の人物ですが現代の私たちにも、神は使命を与えておられます。その使命とは、まず心を尽くして、主なる神を愛すること。次に自分を愛するように隣人を愛することです。この愛を私たちに注いで下さるのが、イエス・キリストの福音なのです。〈なぜなら、福音のうちには神の義が啓示されていて、その義は信仰に始まり信仰に進ませるからです。「義人は信仰によって生きる。」と書いてあるとおりです。〉