牧師コラム 『真に偉大なもの』 2016年5月22日

IMG_8506  栗原 延元 牧師

主イエスの在世当時、エルサレムにはヘロデ神殿と呼ばれる
ユダヤ教の神殿が建っていました。
BC(紀元前)20年に着手し、AD(紀元)64年に完成したので、
主イエスの時代には建設中でしたが、ユダヤ人の誇る建造物でした。

イエスの弟子の一人が
「先生。これはまあ、何とみごとな石でしょう。何とすばらしい建物でしょう。」と
感嘆の声を上げますと、イエスは彼に言われました。

「この大きな建物を見ているのですか。石がくずされずに、
積まれたままで残ることは決してありません。」(マルコ13章1,2節)

主イエスは半永久的に続くと思われていたこの神殿の崩壊を預言するのです。
そして、AD(紀元)70年、ローマ帝国、ティトゥスによるエルサレム陥落によって
預言は成就するのです。

この当時のイエスの弟子たちの関心事は、エルサレムへの旅の途中でも、
イエスが捕らえられる直前にも、〈弟子の中で誰が一番偉いか〉でした。
彼らは、外側が立派に見えるものに心が奪われていました。
その弟子たちに真に大切なもの、永遠に残るものをイエスは語っておられるのです。
見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです。
見えないものを見る信仰こそが真に偉大なものなのです。