栗原 延元牧師 |
「親の心、子知らず」ではありませんが、師匠であるイエスの心を、
弟子たち(ヤコブとヨハネの兄弟)は全く知らなかったことを、
今日の聖書箇所は伝えています。
ヤコブとヨハネは、イエスの御国で右大臣、左大臣の座に着かせて下さいと願い出ます。
彼らは他の弟子たちより偉くなりたいと立身出世を求めるのです。
イエスがご自分の苦難をはっきりと予告している折にです。
イエスの十字架の苦難の言葉について思いを深めるのではなく、
自分たちの事で心が一杯になっているのです。エゴイズムの塊です。
エゴイズム(自分だけが良い思いをしたい)むき出しの言葉が
「人々の間で偉くなりたい」、「人の先に立ちたい」でしょうか。
しかしイエスは、「偉くなりたい」、「人の先に立ちたい」との思いを否定してはいないのです。
そのような思いを受けとめて、12弟子を呼び集めて言われたことが42~45節です。
この箇所の焦点は「仕える者になる」、「しもべになる」ということでしょう。
エゴの塊のような人の思いがイエスに向くとき、その人は全く新しい人生へと舵を切るのです。
神と人とに仕える人生へと・・・。