栗原 延元牧師 |
福音書は、イエスの弟子達がイエスの教えとみわざを書き残したものです。
多くの事を教えた中で最も弟子達を困惑させたのは、十字架に関する事です。
神の御子、すなわち神の愛する方が、人に捕えられ、
裁かれ、十字架上にて死ぬというのですから、
何故このような事が起きねばならないのか、
弟子達は理解する事ができませんでした。
理解できないばかりか、そんな事はあってはならない事でした。
それ故にペテロは、ご自分の苦難と死とよみがえりを予告するイエスを
わきに連れ出して、諌め始めたのです。
諌めるとは、「正しい道の在り方を示して、欠点を改めさせたりする」(新明解)
ことです。
イエスはキリスト(救い主)として、人の病いを治したり、
様々な奇蹟を行って神の力を顕わしたりしてきましたが、
十字架につけられて命を落とす事などあってはならない事でした。
このペテロをイエスは厳しく叱りつけます。
「下がれ!サタン」と。
「下がれ」とは「わたしの後ろにまわれ」という事です。
弟子たる者は主の背中を仰ぎ見て歩まなければなりません。
その時、何故に罪なき方が十字架上の死を遂げなければならなかったかが
分かるのです。