栗原 延元牧師 |
イエスのひとことばで嵐が静まった一行は、
ガリラヤ湖の向こう側のゲラサ人の地方に着きます。
今はケルサと呼ばれている町であったようです。
この町に悪霊につかれている男がいました。
この男は<長い間着物も着けず>とありますから自虐性があり
<家には住まず墓地に住んでいた>ところから非社交性を有し、
<私を苦しめないで>と言ったり、<鎖や足かせを断ち切ったり>
していたことから人格が混濁し、あるいは分裂していた。
酒の飲み過ぎで狂人になったか、あるいは何かの精神緊張の
過重さのあまりではないかと推測しています(榊原康夫氏)。
この男の状態は躁うつ病の躁状態の時と非常によく似ていると
言う人もいます(ジョンソン氏)。
この男には多くの悪霊が入っていました。
この大ぜいの悪霊をイエスはこの人から追放しました。
追放された悪霊どもは近くに飼ってあった豚に入り、
豚の群れは崖を駆け下り、湖に入って溺れ死にました。
現代はなんと狂気が若き者も老いた人をも支配し、
痛ましい事件が日本のいたる地域で起こっていることでしょうか。
イエスにいやされて正気に返ったこの男は、
家族のもとに帰って神の大きな救いのみわざを伝えたのです。