牧師 高橋勝義 |
ノアの家族は、箱舟から出て、新しい歩みを始めました。ノアの息子たちはセム、ハム、ヤフェテの三人で、洪水後の新しい民は彼らから分かれ出たのです。
箱舟から出た後、ぶどう畑の農夫となったノアは、ある日、ぶどう酒を飲みすぎ、裸で寝込んでしまいました。息子のひとりハムは、父の裸を見て、外にいた二人の兄弟に父の醜態を告げました。しかし、兄セムとヤフェテは上着を自分達の肩に掛け、うしろ向きに歩いて行き、父の裸をおおいました。
彼らは顔を背けて父の裸を見なかったのです。
酔いからさめたノアは、末の息子が自分にしたことを知り、「カナン(ハムの子孫)はのろわれよ。」また「ほむべきかな、セムの神、主」と祝福しました。
神は、ノアを用いて、人類の救いがセム族の子孫によってなされることを前もって、知らせてくださったのです。
「セムの神、主」とは、この世界をご支配しておられるまことの神である主なのです。また、このお方は、私たちを愛し、とともに歩んでくださる神なのです。
すべての生き物が、大洪水で滅ぼされたのは“罪”の故です。
「愛はすべての背きをおおう(箴言10:12)」とあるように、私たちのすべての罪をおおうために、セム族の子孫から、救い主イエス・キリストが遣わされたのです。
このお方こそが「世(あなた)の罪を取り除く神の子羊(ヨハネ1:29)」なのです。