牧師 栗原延元 |
前回(2019年12月29日)の礼拝では旧約聖書「民数記」を学びました。今回は民数記に続いて、モーセ五書の「申命記」を学びます。
「申」とは「もうす」の意味で、申命記とは、モーセが約束の地カナンに入る前に、イスラエルの民に再度命じた律法書です。
この書物は、キリスト教の人生篇です。それを端的に言い表しているフレーズが「人はパンだけで生きるのではない。人は主の口から出るすべてのもので生きる」(申命記8章3節)です。このことをわからせるために、出エジプトの民は、40年間、荒野を旅したのです。
荒野での40年間、主はイスラエルの民に食べ物として「マナ」を過不足なく与え続けました。肉が食べたいと叫ぶときには、とり肉(うずら)を与えました。飲み水が苦いという民には、苦みのない水を与えました。このように神はイスラエルの民を養い続けました。単に生活必需品をようやく満たしたというのではなく豊かに与え続けられたのです。このことが申命記8章4節にこう描かれています。〈この四十年間、あなたの着物はすり切れず、あなたの足は、はれなかった。〉と。
この故事を受けて、主イエスは空の鳥を見よ!野のユリの花を見よと語っておられるのです。