今回からしばらく、アブラハムについて学びます。
彼のことについては新約聖書のヘブル書11章8~19節にその信仰の生涯の要点がまとめられていますが、ひとことばで言うならば、アブラハムは「さらにすぐれた故郷」にあこがれてこの地上の生涯(波乱に満ち、次々に起こる困難に耐え)を送った人でした。
アブラハムは75歳のとき、天の神の声に聞き従い、故郷を出立します。ヘブル書の著者は、「どこに行くのかを知らないで、出て行きました」と言います。一見無謀な行動のように見えますが、このアブラハムの心の中には、神が設計し建設された天の都を目ざす思いが芽生えていたのです。
ですから、どこに行くのかを知らなかったと言われていますが、アブラハムは、どこに行ったとしても、何をなすべきなのかということを知っていました。それは、私どもは、地上では旅人であり寄留者であるということです。
私どものまことの故郷は天にあるのですから、天に国籍を持つ者として、この地上では、慎み深く謙虚に歩まなければなりません。
地上に宝をたくわえる生活ではなく、天に宝を積む者となることを、聖書から学んでいきます。